荒川区役所で三河島菜を食べる
2016-02-05


 昨年12月1日このブログで、南千住の素盞雄(すさのお)神社に奉納された「三河島菜」の鉢植えを発見し、三河島菜というものが昭和の初期には栽培されなくなってしまっており、最近になって地元で研究している方々が復活栽培しているとのことを記事にしました。

[URL]

 先月の月末、私用で都電荒川線に乗る機会があったのですが、三ノ輪橋の電停で電車を待っていたところ、以下のポスターが目につきました(以下の写真はすべてクリックすると大きな画像で見られます)。

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 なんと5日間の期間限定で「三河島菜」を食べられるとのこと。場所は荒川区役所の地下の食堂。菜っ葉を丸々食べられるわけではなく、料理のなかに添え物的に使わているだけのようです。それでも食べてみたいとの興味の虫がうずき、予定を変更して都電で2つ目の「荒川区役所前」駅で下車し、5分ほど歩いて区役所へと向かいます。

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 区役所に入って階段を下り地下の食堂へ。三河島菜を使ったメニューは日替わりで本日最終日は「三河島菜入りピリ辛肉みそラーメン」。ラーメンの他にご飯とお好みの小鉢が二皿、それに杏仁豆腐のデザートが付いて500円。食券を購入しセルフサービスの配膳へと向かいます。私の他、他にもこの三河島菜入りラーメンを注文する方が多い。老齢の方で区役所の方ではありません。どこからか、今でふつうに食せない「三河島菜」を食べられるという情報を得てわざわざこの食堂に足を運んだのでしょうか。

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 という訳でお目当ての料理を頂きます。肝心のラーメンが「ウーン」。麺が不必要に柔らかくまたスープも食欲をそそるようなものなく、残念というお味。残しはしませんでしたが、ラーメンの中の三河島菜だけは箸でよって「これは珍しいものだ」と感謝しながら食べました。

食堂のテーブルの上にこんな案内書きがありました。

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***ここから引用***
「三河島菜って」
 江戸を代表する漬菜として、当時の書物にも描かれている三河島菜。味のよい漬菜として鷹狩りに訪れた将軍にも献上されたという記録も残っています。塩漬けにされ、冬場の貴重な葉物野菜として賞味されました。大きさは60センチほどにもなったともいわれていますが、茎が青いもの白いもの、葉が丸いものやイカリ型などの姿も描かれ、本当の姿は定かではありません。その後、中国から入って来た白菜にとって代わられ栽培されなくなってしまいました。まさに「幻の野菜」になってしまったのです。
***引用ここまで***

 これまで、菜っ葉なんというものは皆同じようなものだと思っていました。大名の小噺ひとつにしても「三河島の菜」というだけでこれだけの「言われ」「歴史」がある。過去を調べるという事は奥が深いものです。

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